名古屋で知った真実
 

そんな馴れ初め、実はわたし、知らなかったんですよ。
わたしが営業という仕事に生きがいを感じ始めたころ、ようやく彼女が話してくれた仕事へのプレッシャー。
驚きました。
特に新人の頃は、先輩からのいやがらせもあったそうなのです。
でも、彼女は、わたしの方が大変な仕事をしているから、負担をかけたくない、自分も頑張ろう、と思っていたのだとか。
自分の甘さが恥ずかしくなりました。
彼が目撃した、いいがかりの現場。
あまりに彼女が冷静に対応していたので、慣れているものだと思ったそうです。
それで、打ち合わせが終わって、受付を通り帰るとき、
「さっきはお見事やったね☆ほれてまうわ〜。」
と、冗談を言って帰るつもりが、彼女の目からじわーっと涙が。
すぐに、ぬぐって、
「失礼しました。」
と、いつもの彼女の笑顔があったそうなのですが、その涙が気になって、すぐに名古屋へ帰ることもできず、彼女が会社から出てくるのを待ってしまったそうです。
飲みに誘うと、応じてくれた彼女。
初めてきく弱音と、初めて晒した弱音。
あまりにけなげで、頭をよしよししたら、居酒屋の中だというのに、泣きだす彼女。
一通り涙を流して、落ち着いたタイミングをみて、
「おれ絶対悪者や。別れ話と思われたはず・・・。まだ付き合ってもいないのに(涙)」
なぜか落ち込む彼を見て、思わず大爆笑。
弱音も吐いたし、気持ちも軽くなったのか、何かがふっきれた瞬間を感じた、と言っていました。

これを聞いたのは、実は2次会のとき。
そんなエピソードがあったなんて、彼のことを本当に頼りにしていて、彼女にとっての大切な人になったことが、伝わってきたのです。
わたしに話さなかったのは、恥ずかしさと、大切な宝物だったから、と、みんなの前でカミングアウト。
そんな彼が手に入ったから、宝物のおすそ分けだと、会場を笑わせてくれました。
彼にとっても、彼女の会社は取引先の会社にあたります。
結婚式では、一応会社の上司も来ていたので、この話しは、2次会参加メンバーの、秘密事項としてほしい、と、さらに笑いをかっていました。
なんだか、楽しそうな家庭になるんだろうなぁ、と、ぼんやりわたしも幸せを感じていました。

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