名古屋へ嫁ぐ決心
 

実は、わたし、自分の状況に必死すぎて、彼女に甘え過ぎていたようです。
営業という慣れない仕事。
それに加えて、数字と表れてくる仕事へのプレッシャー。
会社や上司の期待すら、重たいと感じる日々。
自分ばかり、しんどい仕事をしている、とどこかで思っていたのでしょう。
慣れない仕事は、彼女も同じだったというのに。
でも、優しい彼女は、そんなわたしを責めることもせず、いつもわたしの話しを聞いてくれて、彼女に話すことで自分の気持ちもリセットでき、落ち着いていられたんですよね。
自分のしんどさを、いつも、心に抱えたまま。

そんな彼女に、大切な彼が出来たときは、祝福する気持ちとともに、ちょっぴり嫉妬心もあったんですね〜。
だって、お付き合いを始めると、遠距離になってしまう2人は、どちらかが相手の土地を訪問する、という状況だったので、週末、彼女に会えなくなってしまったのです。
まぁ、その変わり、平日はたくさん会えたのですが。
それに、彼女が、わたしには話していないことも、彼には話しているようだったから。
自分の存在が軽くみられているように感じてしまったのです。

人間って、勝手なものなんだな。
と、わたしが感じてしまったきっかけ。
それは、初めて、彼女の仕事の大変さを聞いたときでした。
会社の受付と言えば、花形の職業。
にこにこわらって、訪れた人との取り次ぎをする、楽な仕事。
勝手にそんなイメージを持っていたんです。
これについては本当に申し訳なかったです。
ごめんね〜。
会社にとってのお得意さま。
特に、取引先のおえらい様って、誰を訪問するか、名指しで伝えず、自分を知っていて当たり前、という方も多いそうなのです。
また、大切な取引があると、必ず、受付に伝えられ、失礼のないように対応しなければならないのです。
その人数が半端ないのだとか。
また、特徴を伝えられても、人のイメージのことなので、ちゃんと彼女に伝わっていないこともあり、もし、失礼があると、受付の程度が低い、ということにもなったり。
ときには、受付で問題がなくても、取引がうまくいかなかったのは、受付での対応が悪かったからだ、と、言いがかりをつける人までいたといいます。
それでも、
「申し訳ございませんでした。」
と、自分の感情を表に出さず、丁寧な対応をするべき場所。
今のわたしなら、絶対にケンカしてしまいそうです。
彼女が彼と飲み会であった翌週、彼が訪問したとき、ちょうど彼女がそんな状況になっているのを目撃したらしいのです。
聞いていても腹のたつような言動に、落ち着いて対応する彼女。
相手の方も、拍子抜けしたように、弱々しい捨て台詞を残して、去っていったそうです。
ケンカすることもなく、気持ちよく相手を追い返した彼女。
彼は、そんな彼女を見ていて、結婚するなら、この子しかいない!と、強く思ったそうです。

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